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-Mind Logic Linkage- 学園棋神伝マインドル

「私、関係ない、って言われたね」
「でも……キャンパス内は禁煙ですよね?」

「……っるさいな。何が禁煙だよ。おまえに関係ないだろ! 俺の金で買ったタバコだぞ。俺が何しようと俺の勝手だろうが!」

学生はその口から先輩の顔にタバコの煙を吹き付けて、火のついたままのタバコをくわえながらキャンパスの人込みの中へと溶け込んでいった。
あたりにはタバコの煙が漂っている。

「先輩」

俺は先輩を促して、この場を離れようとする。
だが先輩は静かに視線を落としたまま、その場に立っている。
薄煙が目に見えるほど残る中、その両肩がゆっくりと上下した。

「私、関係ない、って言われたね」

さきほどのタバコ男の言葉だ。
いや、おそらくそれだけではないだろう。その前の自転車置き場の件。あるいは俺に財布を届けてくれたこともその一環なのだ。
先輩は今日までに何度となくそのように行動してきたのだろう。
そうした中で、あのように罵声にも似た言葉を浴びせられることは先輩にとっては珍しいことではないのだろう。

「私、どうしてここにいるんだろうって、ずっと考えてる」

風が吹いた。葉桜のかおりが少しだけタバコの煙を薄めた。
離れたところから昼休みのキャンパスの喧騒が聴こえてきている。

「なんとなく大学に進学してしまったけれど、私が入学できたってことは、誰かが代わりに入試に落ちたってことだ。
私がこうして息をしていると、その分、空気中の酸素が減って二酸化炭素が増えてるってことだ。
私はただいるだけで何かを犠牲にしている。
それなのに、何をしても "関係ない" って言われてしまう。
実際、その通り。
私が何をしてもしなくても、世の中は変わらない。人の行動は変わらない。
私は何とも関係ない。
何とも関係ないのに、どうして、ただ、何かを犠牲にし続けて地球に存在してるの?
私はどうしてここにいるのか、ずっと考えてる。折原くんと一緒に地球に帰ってきたときから、ずっと考えてる。
だけど、答えは見つからない」

すでにタバコの匂いは感じられないほどに薄まっている。
だがこうして立っているとさまざまな匂いが感じられる。
新緑の匂い。少し湿ったコンクリートの匂い。食堂の裏口から漂ってくる揚げ物の匂い。
そして間近から感じられる先輩の自然な若い女性の匂い。
さまざまな音が聴こえてくる。
木々の枝葉が風に揺れる音。学生たちのざわめきと足音。
キャンパスの外から響いてくる自動車の音。ときおりそこにクラクションの音が混じる。
どこか遠くで消防車のサイレンが一瞬だけ聴こえて、すぐに遠のいた。




■ 製品情報
タイトル -Mind Logic Linkage- 学園棋神伝マインドル
ジャンル 学園物ノベルゲーム & 対戦型ボードゲーム
制作 サイトA (http://www.site-a.info/)
配布形態 フリーウェア
キャラクター画像 『コミPo!』で作成。『GIMP』でいじりいじり。
年齢制限 0歳以上。胎児の人はごめんなさい!
公開日 あなたがこのゲームの存在を知った日があなたにとっての公開日なんだぜ。
対応OS Windows7で動作を確認しました。
メモリ 4G以上推奨

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