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◆◆ したこと: ◆◆

        コミPo!がLinuxで動いた!
        
        
        道のりは平坦ではありませんでしたが、艱難辛苦の果てに起動に成功しました。
        武勇伝を語りたいのはやまやまですが、まずは「実際にしたこと」を列挙します。
        
        ・sudo apt-get install libp11-kit-gnome-keyring:i386
        ・sudo apt-get install p11-kit-modules:i386
        ・Wineのプレフィックスを32bit用に作り直す($HOME/.wine をリネーム(退避)して、WINEARCH=win32 wine wineboot)
        ・winetricks dotnet20
        ・winetricks dotnet30
        ・Wineのバージョンを1.6 から 1.8 にアップデート
        
        以上の作業をした上で wine ComiPo.exe でコミPo!が起動したぜ! ヒャッハー!
        なお、結果的に動作はしたものの、上記の作業の因果関係はあんまりよくわかってません。でも起動したぜ! ヒャッハー!
        
        申し遅れましたがディストリビューションは Linux Mint17.2 です。Wineのバージョンは1.6でした。
        
        では武勇伝。ついでに解説も。
        
        まず、コミPo!のインストーラーは普通にダブルクリックで動きました。Wineエライ。
        適当なフォルダを指定してファイルを展開。
        出てきた ComiPo.exe を喜び勇んでダブルクリック! しかしエラー!
        だがエラーが出てからが本番だ。それがWine道。
        
        エラーメッセージを見るために、コマンドラインで実行します。
        
        $ wine ComiPo.exe
        
        すると何だかわらわらと文言が出てくる。
        目を皿のようにして、その中からエラーっぽい文言を探す。
        
> p11-kit: couldn't load module: /usr/lib/i386-linux-gnu/pkcs11/p11-kit-trust.so: /usr/lib/i386-linux-gnu/pkcs11/p11-kit-trust.so: 共有オブジェクトファイルを開けません: そのようなファイルやディレクトリはありません > p11-kit: couldn't load module: /usr/lib/i386-linux-gnu/pkcs11/gnome-keyring-pkcs11.so: /usr/lib/i386-linux-gnu/pkcs11/gnome-keyring-pkcs11.so: 共有オブジェクトファイルを開けません: そのようなファイルやディレクトリはありません
これだ! というわけで「ない」と言われているファイル名をネットで検索。 次のコマンドで入手できるんですって。 $ sudo apt-get install libp11-kit-gnome-keyring:i386 $ sudo apt-get install p11-kit-modules:i386 早速実行。そして再び wine ComiPo.exe しかしまだ起動しない。 次のエラーっぽい文言はこれ↓
> fixme:msvcm:CrtImplementationDetails_DoDllLanguageSupportValidation stub > wine: Unhandled page fault on write access to 0xe74db234 at address 0x1190426 (thread 0009), starting debugger... > Unhandled exception: page fault on write access to 0xe74db234 in 32-bit code (0x01190426).
fixme (私を直して) と言われたからには見過ごせません。 さて msvcm というのは一体どんな悪者なのだろう? stub とか言ってるからきっと刃物を持ってる危険なやつに違いない。 と思って今辞書で調べたら、それは stub じゃなくて stab だった。辞書め! で、いろいろ調べて、結局 msvcm の何たるかはよくわからなかったのですが、 結果的には.NETをインストールしたら解決しました。因果関係は不明です。 ちなみにこの msvcm の件で100回ぐらい諦めかけました。.NETにたどり着いたのは仏の導きです。 仏のお告げによると、winetricks で.NETをインストールするにはこうすればいいらしいですよ。 ↓ $ winetricks dotnet20 $ winetricks dotnet30 ところが、なんか64bit環境では.NETはインストールできない、みたいなエラーが出るので、 先にWineの環境を32bitに変更です。 $HOME/.wineをリネーム(つまり退避)して、 $ WINEARCH=win32 wine wineboot を実行。 32bit設定でプレフィックスが生成される。 何をしているのかと言うと、 Wineの環境変数 WINEARCH に「アーキテクチャはwin32ですよ」と設定した上で、プレフィックスを再生成しています。 生成後の.wineフォルダを見てみると、 Program Files(x86)フォルダがなくなってる。windows/syswow64 もない。つまり無事に32bit設定になったってことだぜ。 その上で改めて.NETのインストールを実行。 ちなみにコミPo!用に必要なのは.NET3.0なのですが、 先に2.0を入れておかないと3.0がインストールできないみたいなので上の手順です。 今度は無事にインストール成功。 そして再び wine ComiPo.exe。 するとついに……起動した! 起動したぁーーー!! ビックリマーク2つでいいの? 許されるなら世界中のディスプレイをビックリマークで埋めたい。 このときの感動をあなたにお届けするには上記の msvcm の件での長く虚しい戦いを語らなければならないのですが、 それをすると原稿用紙ン百枚の大長編になってしまうので割愛します。想像してね! さて、この時点で一応そこそこ動きました。 キャラクターを作成したりできる。 しかし異様に重い。しかも、ちょっと操作するたびに落ちる。 いやぁ〜、でも一応起動はしたし、もともと動作対象外の環境だし、贅沢は言えないよな〜、このへんが限界かな〜、 と思ったんですが、 この時点で使っていたWineはディストロのリポジトリに入っていたものであり、最新版ではないことに気づく。 もうできることは他になさそうだし、ダメ元で上位バージョンを試してみる。 リポジトリを追加してWineを更新。 $ sudo add-apt-repository ppa:ubuntu-wine/ppa $ sudo apt-get update $ sudo apt-get install wine1.8 Wine自体の公式での最新バージョンはもうちょっと先を行っているようですが、 Ubuntu系ディストロ用に公開されている中ではこの時点では1.8が最新のようでした。 あ、ちなみにLinuxMintなので、リポジトリはUbuntuさんのを間借りしているのです。 さて、無事にアップデート完了。 ひょっとするとバージョンを変えた影響で起動しなくなってるかな〜、それもご愛嬌、 などと、あんまり期待せずに再び wine ComiPo.exe。 すると無事に起動。 しかも動作が如実に軽くなってるぞ。すごい。バージョンアップはダテじゃない。Wineの中の人エライ! しかし編集画面に何も表示されない。 ただ、オブジェクトを追加して「画像出力」をしてみると、それっぽい画像が生成される。 つまり、見えないけれど、内部的には動作はしている様子。 多分何か3Dの描画の関係でつまづいてるんだろうな〜、予想通り予想通り。 やっぱWindows上で動かさないと、そういうややこしいのは無理かな〜、 と諦めぎみに、コミPo!の上部メニューから関連しそうな設定項目を探す。 「ツール>環境設定」の中に「画面表示」という設定画面を発見。 「編集画面の描画にハードウェア支援(Direct2D)を使用して高速化する」 という贅沢っぽいチョイスにチェックが入っていたので外す。 するとパチっと編集画面が表示された。 え? マジで? と思ったんですが、本当に表示された。 あとはもうパラダイスです。 別にテクスチャが真っ黒になるでもなく、Zバッファがぐちゃぐちゃになるでもなく、 期待してたような派手な3D乱れ祭りは起きてない様子。 あんまりアッサリと動いてくれてるものだから拍子抜けするぐらいです。 仮に起動しても、どうせモッサリ&不安定で使い物にはならないだろうな〜、と思っていたのですが、そんなことも全然ない。 充分これでイケそうですよ。 ただし、うまくいかない機能もありました。 ・フキダシを表示させると、フキダシの周囲の背景が真っ黒になる。 ・フキダシ内のセリフを縦書きにすると表示されなくなる(横書きなら表示された) ・集中線を表示させても真っ黒にしかならない。 真っ黒になるのは背景の透過処理に問題があるのかな? どこかに元画像が入ってるなら、それをイジればあるいは…… と思ってインストールフォルダ以下を探してみたのですが、見当たらない。内部で生成してるのかな? ならばお手上げだぜ。 でも私の場合はマインドルのストーリーパート用の立ち絵を作るのが目的なので、フキダシも集中線も必要ない。 どうしても必要になったら画像を出力した後、GIMPか何かで加工すればいいじゃない。 最も肝心な「3Dでキャラをエディットして表示」という部分は問題なく使える感じです。素晴らしいの一言。 まだ何か解決策はあるのかもしれませんが、私的にはこれで満足です。ゆえに実験は終了。 フキダシや集中線が必要な使い方をする予定の人は頑張ってみてね。 それにしても、ここまで動いてくれるとは期待以上です。 普段Linuxしか使ってないので、このソフトのためだけにWindowsマシンに電源入れて2台のワラジで作業するのは面倒くさいな〜、 しかもライセンス上、インストールできる台数が限定されてるみたいだし、そこもちょっと神経削る問題だな〜、 と思ってたので、Linuxだけでなんとかなりそうというのはとても嬉しいことです。 よし、Linuxにインストールして使い続ける心づもりで製品版を購入するぞ! あ、ちなみに大事なことを言い忘れてたのですが、上述のように、今回の実験は体験版でのものです。 つまり製品版でも同じように動いてくれるとは限らない? いやいや、体験版が動いたんなら製品版も動くでしょう? そのための「体験」版でしょう? と思いたいところではありますが、そもそも動作保証対象外の動作環境ですからね。 何が起きても受け入れざるを得ない。変なニオイとか出ても受け入れざるを得ない。 仮に今は動いても今後のコミPo!のアップデートで動かなくならないとも限らない。 いや、でも、手元にWindowsマシンがないわけじゃないし、 そうなったらそうなったで、おとなしくWindows使えばいいじゃない。パンがなければWindowsを食べればいいじゃない。 そもそも、もともとはそのつもりでしたからね。 今回の実験結果はあくまでラッキーということで、あんまりはしゃぎすぎないことにしよう。 ヒャッハーじゃなくてヒャハ、ぐらいで。メラゾーマじゃなくてメラミ、ぐらいで。 Windows7のサポートが切れた後なら、Windows10を買えばいいじゃない。イヤですけど。 汎用的な画像編集ソフトとかオフィススイートとかならLinux用のソフトで大体何でもそろって何も困らないんですけど、 こういう特殊な用途のソフトはWindows版しか存在しなかったりしますよね。 まさにこういうときのためのWineです。 今回、見事に活躍してくれたWineさんには大感謝です。あ、もちろんコミPo!さんにも大感謝です。 さて、製品版も同じように動いてくれるでしょうか? ドキドキしながら金を使うぜ。 ところで今思ったんですが、 Wineのバージョンアップを最後にやってますが、 もしかすると、これを最初にやっていれば、それ以前の作業は必要なかったんじゃないでしょうか? なんか私的には「いろいろガンバッテ起動にこぎつけたぜ!」みたいな達成感に浸っているのですけれども、 バージョンアップが全てを解決しているなら、実際にガンバッタのは私ではなく、Wineの中の人ですよね。 しかし実際どうなのでしょう? 喜び勇んでこうして手順をネットに書いた身分としては、確認しておくべきであろう、デマを拡散してはイカン。 と、持ち前の義侠心に突き動かされて環境を巻き戻しかけたりもしたのですが、 私には前に進まなければならない使命があるので、そんな面倒な検証作業は断腸の思いで諦めました。 もしよかったら、あなた、いろいろ試してみると楽しいと思うですよ。 ところで断腸って痛そうですよね。どんな思いなのかな? できれば知りたくないですね。