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◆◆ 思ったこと: ◆◆

        コンピューターゲームの中でまで暴力を行うなんて悲しいじゃないですか。
        
        コンピューターゲームとは何でしょう?
        おそらくは、こうです。
        コンピューターを使って、なんだか今までにないことができるようになった。
        画面に何かを表示したり、音を出したり、さらにそれを自在に操作することもできる。
        なんだか楽しい!
        でも、ただ遊んでるだけじゃ物足りない。どうせなら、もっと何か積極的な意味づけが欲しい。
        その意味付けとして、これまでに様々なゲームが作られてきた。
        大体のところ、そのように言っていいのではないのでしょうか。
        
        だけど、その、意味づけの内容が、
        何かを攻撃したりだとか、打ち負かしたりだとか、殴ったり壊したりだとか、
        そんなものばかりだなんて、悲しいじゃないですか。
        
        コンピューターを使って、なんだか楽しいことができそうだ。
        さぁ何をしよう?
        というときに、思いつく「すること」が、暴力ばかり。
        暴力ぐらいしか「すること」が思いつかないなんて!
        
        現実の世界ではできないことが仮想の世界ではできる。
        じゃあ、何をしたい?
        暴力ぐらいしか「すること」が思いつかないなんて!
        
        そんなの、悲しすぎるじゃないですか。
        
        
        そんなことが、本当に、私の、あなたの、したいこと、なのでしょうか?
        
        
        
        > その意味付けとして、これまでに様々なゲームが作られてきた。
        
        それを私たちはプレイしてきた。
        
        それが「楽しいこと」なのだ、「面白いこと」なのだ、と信じて。
        
        だけど、それは本当に本当でしょうか?
        
        本当のところ、私は、あなたは、何をしたいと思っているのでしょう?
        
        
        
        それが人間の本能、ですって?
        そんな話をしてるんじゃないんです!
        「人間の本能」なるほど。
        それは観念です。
        あなたの頭の中にある観念です。
        「人間」という名のついた種類の生物の性質についての観念です。
        それはあなたの頭の中にある観念なのであって、あなた自身のことではない。
        あなた自身は何をしたいと思っているのか?
        あなたの頭の中にある観念についての記述ではなく。
        そのような観念を持ったりもするものであるところのあなた自身。
        「人間」という分類を受ける以前のあなた自身。
        名前をつけられる以前のあなた自身。
        比較して卑屈になったり優越感を抱いたりするような対象となる他者を認識する以前の、ただのあなた自身。
        そのあなた自身は、私自身は、本当のところ、何を望んでいるのでしょう?