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◆◆ 思ったこと: ◆◆

        ブロックチェーン破綻のシナリオ
        
        
        ビットコインなどのブロックチェーンを用いた「暗号通貨」は
        「中央の管理機関を持たず、P2Pで稼働する」というのが大きなウリであるはずです。
        が、そのために「ブロックチェーンが際限なく肥大化する」という爆弾を抱えている。

        この爆弾ゆえに、もともとのメリットさえもひっくり返ってしまうかもしれません。
        次のようなシナリオです。
        
        普及するにつれてブロックチェーンが肥大化する。
        個人のパソコンでは取り扱えないサイズになり、
        オンラインのウォレットを使うことが一般的となる。
        しかしそれはP2Pネットワークに参加するノードが減ることを意味する。
        その間にもブロックチェーンは肥大化の一途を辿り、
        ウォレットのオンラインサービスを継続できる企業も減っていく。
        やがて一部の世界的な大企業のみがオンラインのウォレットを管理するようになる。
        このとき、P2Pのネットワークに参加しているノードの大半がその企業の管理下のものとなっている。
        その企業の意向次第でいくらでも「51%攻撃」が可能になる。
        つまり、このとき、その企業が中央の管理機関と実質的に同じなのであり、通貨の発行権を握っているということです。
        ブロックチェーンのメリットはもはや消滅しています。デメリットに変化しているとさえ言えます。
        
        ブロックチェーンは時限爆弾ということです。
        しかも、上記のようなシナリオが進行するということは、
        その通貨が相当程度に世の中に浸透していて、使用をやめることができなくなっていると予想できます。
        そういう状況で、特定の営利企業に通貨発行権を握られているんです。
        最悪じゃないですか?
        
        風が吹いて桶屋が儲かりすぎでしょうか?
        ですね。こういうシナリオが実現しないことを望みます。
        
        しかし「ブロックチェーンとは肥大化し続けるものである」というのは、どうやら事実らしい。
        そして、「HDDが圧迫されて困る」というネット上の相談に「オンラインのウォレットを使えばいいじゃん」というアドバイスが行われている。
        ということは、上記のシナリオの冒頭部分は実際に進行中ということです。
        さらに、みなさんの大好きな某G社がブロックチェーン業界に参入してきているというではありませんか。
        悪しき兆候です。おそろしい!
        
        「ブロックチェーンでP2Pなんだから誰にも独占できないさ〜」
        と思ってたら、いつの間にか某G社が通貨発行権を牛耳っている社会に!
        
        某G社は国ではありません。営利企業です。
        国であれば、一応、国民を守る義務がありますが、営利企業は自分たちが儲けることが最優先です。
        そんな連中に通貨の管理権を握らせて大丈夫なんでしょうか?
        いーや、大丈夫なハズがない!

        通貨の発行権を握られることがどれほど重大なことか?
        ご存知ない方は、次の有名な言葉をどうぞ。
        
        「私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い」(ロスチャイルド氏)
        
        そういえばこれって「通貨は実は国ではなくて(民間の)銀行に牛耳られている」という話なのでしたね。
        そして「だからこそ人々はいつまでたっても自由になれない」という話なのでした。

        それでも一応の建前としては通貨には国のお墨付きがある、ということになっているのが現状ですが、
        その建前さえ壊れてしまうということです。
        
        しかもさらにマズイことにですね、
        ブロックチェーンって、理論上、取引の履歴をいくらでも遡って調べることができるのですよね。
        
        これが現金(げんなま)であれば、そうはいきません。金は天下のまわりものと言いますが、
        あなたの手元にある百円玉が今までに誰の手から誰の手に渡って最終的にあなたの財布にあるのか、誰にもわかりません。
        あなたがその百円玉を使った後も同様です。
        
        しかしブロックチェーンはデジタル情報が埋め込まれていますから、
        どこまででもさかのぼって調べることができる。
        誰がいつどこで何を買ったのか? 情報は筒抜けです。
        しかも某G社ほどのスゴイ企業ともなれば、簡単に検索してしまうでしょう。
        プライバシー? 何それ? おいしいの?
        裏を返せば「悪いことができない」ということでもありますが、徹底的な管理社会が実現するということでもあります。

        あれれ? ブロックチェーンって、なにか、もっと、自由な感じがするものじゃなかったでしたっけ? おかしいなぁ。おかしいなぁ。
        
        誰がどこで何を買ったのかを徹底的に把握され、特定の営利企業の利益のために「通貨」という経済の血液を操られてしまう。
        ブロックチェーンおそるべし。
        
        
        
        今のところ某G社が「ビットコインのオンラインウォレット」を提供しているという話は聞きません。
        もし今後、某G社がそうしたことをし始めたら要注意です。
        しかし、某G社はすでにビットコインとは違う別種の通貨の開発に関与しているといいます。要注意です。
        
        とりあえず私たちにできるのは、そうした通貨をできる限り使わないことです。
        使う人が少なければ通貨としての価値は上がりようがありません。まさに民主主義。
        そして、油断して使ってしまう人が増えて多数派になれば、世の中全体が後に引き返せなくなる。これもまさに「民主主義」。
        
        というわけでビットコインだろうが、某さざなみコインだろうが、

        「使わない」

        これに尽きます。
        
        
        
        
        
        ……と思いましたが、やっぱもう間に合わないかも。
        すでに後に引けなくなってますよね。
        右を見ても左を見ても、みんなブロックチェーンに夢中になってる。ダメだこりゃ。
        そもそも私のような素人のところにまで情報が降りてきている時点で手遅れということではありませんか? なるほど。そうですか。
        どうにもならない。無力感。
        みんなで一度、大きなしっぺ返しを経験するしかないのかもしれません。
        たとえば第二次世界大戦とかソ連崩壊とか、そういうレベルの。
        
        「大量破壊兵器」「共産主義」
        そこに「ブロックチェーン」が追加される。
        
        それしかないのかもしれません。
        「ブロックチェーンは失敗したんだ。歴史が証明してる……」と、濁った目で人々が言うようになる。
        代償は大きいですが、それしかないのかもしれません。
        
        
        あとは私の理解が間違ってて、そもそもブロックチェーンが肥大化するなんて勘違いでした、てへ。とかね。
        これもまた代償が大きい。私的に。赤面うがぁぁ。