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◆◆ 思ったこと: ◆◆

        
        人に言葉をかけて、どうしても届かない話。
        
        誰かが、自分は悪い人間なんじゃないのかな、と心配している。
        そこへ、そんなことないと思いますよ、って意図で言葉をかける。
        でも、その言葉が、届かない。
        
        おそらく、その人が信じてる「道徳」があって、
        その「道徳」によると、その人は悪い人ということになる。
        
        そこへ、そんなことないと思いますよ、と声をかけると、
        その、かけた声は、その人が信じている「道徳」に違反したものになってしまう。
        だから、声をかけた私は、その人に言わせると、不道徳な変態さん、ということになってしまう。
        困ったなぁ。
        
        
        
        あるいは。
        
        その人の中で、劇の配役が、すでに決まってる。
        
        たとえばシンデレラと、いじわるお姉さんと、王子様と、魔法使い。
        
        そこへ外野である私から、
        シンデレラは何も悪くないと思いますよ、いじめるお姉さんの方が悪いと思いますよ、って、
        いわば、「見かねた隣人」の役でセリフを言うのですが、
        この劇に、そんな配役は存在しない。
        だから、存在する配役のどれかに、無理やり当てはめられてしまう、のかな?
        どうなのでしょう? わからないですね。
        
        ともかく、どうも、なんだか、言葉が、届かない。
        そもそも、解釈のための、レセプターが、存在してなくて、言葉が受け止められてない感じ。
        
        シンデレラは、いじわるお姉さんから、いじわるされることになってる。
        それを調停するような展開は、シナリオにない、ということなのかな。
        
        関われないなぁ。関われないなぁ。